エコキュートが急に使えなくなった、エコキュートから変な音がするといった症状が発生すると、故障してしまったと思う方は多いのではないでしょうか。
しかし、エコキュートは、故障していなくてもお湯が出なくなったり、エラーが表示されたりします。
自分で対処できるのにも関わらず、すぐに業者に修理を依頼してしまうと、余計にお金がかかってしまうケースは少なくありません。
そのため、故障と一時的なトラブルの見分け方やそれぞれの対処法を知っておくことで、余分な出費を避けることができます。
今回は、エコキュートでよく見られるトラブルや故障のサイン、対処法などを徹底解説しているので、ぜひ参考までにご覧ください!
目次
1.故障と間違われやすいエコキュートのトラブル
まずは、故障と間違われやすいエコキュートのトラブルを見ていきましょう。
湯切れ
エコキュートでは、事前にお湯を沸かし、貯湯タンクに貯め、使用するときにそのお湯を給湯する仕組みとなっています。
そのため、貯湯タンクのお湯がなくなると、お湯は一時的に使えなくなり、湯切れ状態になってしまいます。
ただし、この湯切れは故障によって発生するものではありませんので、ご安心ください。
貯湯タンクに貯められる最大湯量が使用湯量に見合っていなかったり、来客があって普段とは異なる使い方をしたりすると湯切れが起きやすいです。
お湯が使えなくなった原因が湯切れであれば、再度沸き上げを行うことで、お湯が使えるようになります。
配管の凍結
エコキュートは、寒い日が続くと配管が凍結してしまい、お湯が使えなくなるなどのトラブルが起こります。
配管が凍結した時は、凍結が原因で正常に稼働しない・沸き上げができないといったことを伝えるエラーコードが表示されるのが特徴です。
配管の凍結は、溶けるまで待つか、配管にぬるま湯をかけることで解決できます。
ここで注意したいのは、熱湯をかけないことです。
熱湯をかけると、温度差が激しくなり、配管がゆがんだり亀裂が入ってしまったりして、故障の原因となりますので、絶対に行わないようにしましょう。
青い水が出る
エコキュートから青い水が出て、浴槽が青く汚れてしまうことがあります。
この青い汚れは、「銅石鹸(どうせっけん)」と呼ばれています。
銅石鹸の原因は、皮脂や石鹸カスと配管から水に溶けだした銅イオンが化学反応を起こすことです。
銅石鹸は設置後~数ヶ月の間に発生しやすいのが特徴で、人体への影響はない上、時間が経つにつれて発生しづらくなるため、気にならない方は放置で問題ありません。
ただし、気になる方は浴室用洗剤や台所用洗剤を使って汚れを落としましょう。
室外機が濡れている
エコキュートの室外機(ヒートポンプユニット)が濡れていると、水濡れを疑ってしまう方は多いでしょう。
室外機は、結露や霜を結露水として排水したり、内部の湯量を調整するために排水した利する機能をもっているので、これは正常動作であり、故障の心配はありません。
ただし、室外機の周りが常に水浸し、沸き上げを行っていないのに水が漏れ出しているといった場合は、故障の可能性がありますので、早めに専門業者に点検依頼を行いましょう。
2.エコキュートが故障した時に見られる症状と対処法
次に、エコキュートが故障した時に見られる症状と対処法をご紹介します。
お湯が出なくなる、出てもぬるい
湯切れを起こしていないのにお湯が出なくなる・出てもぬるいという場合は、沸き増しやエコキュート本体のリセット、配管の凍結確認を行いましょう。
それでも症状が改善しない場合は、故障が疑われますので、メーカーや業者に相談し、修理もしくは交換してもらいましょう。
お湯が止まらなくなる
お湯張りの際、水位を設定しているにも関わらず、浴槽から溢れるほどお湯が出てしまうというトラブルもあります。
まずは水位の設定が間違っていないか、浴槽の循環口に詰まりがないかを確認しましょう。
どちらも問題なければ、水位センサーが故障している可能性があるため、メーカーや業者に相談し、修理もしくは交換してもらう必要があります。
給湯温度が不安定になる
エコキュートが故障すると、給湯温度が不安定になるケースがあります。
給湯温度が一定にならないと感じたら、いつもより設定温度を上げてみましょう。
設定温度を上げることで温度が安定する場合は、エコキュートではなく、水栓が不具合を起こしている可能性が高いです。
ただし、水回り全体でお湯の温度が安定しない場合は、エコキュートの故障が疑われます。
この場合は、水栓交換とエコキュート修理の両方を得意としている業者に相談すると効率的に解決できます。
水圧が弱くなる
エコキュートの故障症状としては、水圧が弱くなることも挙げられます。
水圧が弱いと感じた時は、次の4つを確認してみてください。
・複数の場所で同時に使用していないか
・止水栓が開ききっているか
・シャワーヘッドのフィルターが詰まっていないか
・貯湯タンクの残湯量
いずれも問題なければ、配管から水漏れしている可能性が高いため、配管からの水漏れはメーカーや業者に依頼して修理してもらう必要があります。
水漏れが起こる
沸き上げしていないにも関わらず室外機から水漏れが発生している、タンクの傷やヒビから水漏れしているといった場合も注意が必要です。
使用感に問題がなくても、水漏れを放置することで漏れた水が電気系統を破損してしまうなどのトラブルにつながる可能性が高いです。
特に、エコキュートが正常に稼働するために欠かせない基板が壊れてしまえば、水漏れ修理よりも高額な修理費が必要になってしまいます。
室外機が常に水浸しの場合や、キズやヒビから水が漏れている場合は、速やかにメーカーや業者に相談しましょう。
水道代・電気代が高くなる
エコキュートを問題なく使用できていても、急に水道代や電気代が高くなった場合は故障が疑われます。
水道代や電気代が不自然に上昇する理由の多くは水漏れで、不足分を補うため、余分に沸き上げることで、水道代や電気代が高くなるのです。
水道代や電気代に違和感を覚えたら、室外機や貯湯タンクで水漏れが起こっていないかを確認しましょう。
水漏れが起こっていない場合は、昼間沸き上げを停止する、ピークカット設定を行う、プランの見直しをするなどで対処しましょう。
もし、水漏れが起こっている場合は、速やかにメーカーや業者に相談する必要があります。
エラーが頻発する
エコキュートのリモコンにエラーコードが表示され、何度解除してもエラーが表示され続ける場合は、エコキュートのどこかが故障している可能性があります。
取扱説明書やメーカーのホームページでエラー内容を確認してみてください。
エラーには、自分で直せるものと、修理や交換が必要なものがあるので、修理や交換が必要なエラーや、対処方法が不明な場合は、カスタマーサポートに問い合わせてみましょう。
室外機から異音がする
エコキュートは、正常に稼働している時でも音が出ますが、次のような異音が発生している場合は故障の可能性があります。
・空気が漏れているような音(「シュー」など)
・何かがぶつかり合っているような音(「カタカタ」「キュルキュル」など)
・笛のような音(「ピーピー」など)
・金属を叩くような音(「キーン」「ドンッ」など)
・爆発音(「ボンッ」など)
特にボンッといった爆発音は、エコキュートが不完全燃焼を起こしている原因の可能性があります。
不完全燃焼が続くと、一酸化炭素中毒をはじめとする事故につながることもあるため、使用をいったん中止しましょう。
上記のように、異音が気になる場合や、普段と異なる音がする場合は、すぐに専門業者に相談することをオススメします。
3.エコキュートが故障してしまう原因とは?
では、エコキュートが故障してしまう原因にはどのようなものが挙げられるのか解説させていただきます。
寿命
エコキュートの平均寿命は10年~15年と言われていますが、使用頻度やメンテナンス状況によって劣化速度は異なります。
つまり、定期的なメンテナンスを行っていれば、より長く安全に使用できると言えます。
しかし、どれだけ大切に扱っていても、内部にある部品の消耗は避けられません。
経年劣化による故障は、摩耗故障と呼ばれています。
先ほどご紹介したエコキュートが故障した時に見られる症状がある場合は、設置から何年経過しているか確認し、10年以上継続して使用している場合は、経年劣化が故障につながった可能性が高いです。
設置ミスや本体の初期不良
施工業者の設置ミスや本体の初期不良が原因で故障することもあります。
これらは、エコキュートを設置してからすぐに起こる故障ということで、初期故障と呼ばれています。
初期故障の場合は無償で対応してもらえるため、施工業者やメーカーに問い合わせてみましょう。
ただし、保証期間を過ぎると、初期故障であっても無償で修理してもらえなくなるため、使用していて違和感を感じた場合はできるだけ早く相談することが大切です。
違和感を放置したことによる偶発故障
偶発故障とは、設置時からある不具合が、年数が経過するごとに大きな不具合となり、故障につながってしまうものです。
これは施工業者のミスによって起こることがほとんどと言われています。
設置時からある不具合ということで、仕様と勘違いしてしまうケースがあるため、違和感に気づけないことも多くあり、いざ点検をしてみたらずっと不具合のある状態で使用していたという方もいらっしゃいます。
偶発故障を防ぐためには、少しでも違和感を覚えたら点検を依頼するなどの判断が欠かせません。
4.エコキュートはポイントを押さえておけば長持ちする!
エコキュートが故障する原因に寿命がありましたが、次のポイントを押さえておけば、寿命が延びる可能性が高いです。
定期的にメンテナンスを行う
エコキュートは、定期的にメンテナンスを行うことで長持ちさせられます。
部品の消耗や劣化については専門業者による点検が必要ですが、簡単な点検であれば、取扱説明書や各メーカーのホームページに記載されている手順でご自身で行うことも可能です。
メンテナンス方法はもちろん、推奨頻度もメーカーやモデルによって異なるため、公式の情報を確認しましょう。
不具合や故障を最小限に抑えるためにも、定期的なメンテナンスを怠らないようにしましょう。
室外機の周りに物を置かない
室外機の周りに物を置いていると、吸気や排気が上手くいかず、故障の原因になってしまう可能性があります。
また、設置時に障害物がなくても、雑草が生えることで、吸気や排気の邪魔になるケースも少なくありません。
メンテナンスの一環として、室外機付近の除草や点検を行うと、性能低下や故障を防ぐことができるでしょう。
ちなみに、室外機の設置場所は外壁から10cm程度離れたところが適切とされているので、設置後に、適切な距離が保たれているかどうかを確認しておくと安心です。
長期間使用しない場合は電源を切って水を抜く
旅行などで長期間家を空ける時は、エコキュートの電源を切りましょう。
電源を切っておけば沸き上げなどが行われなくなるため、機械に余計な負担がかかるのを防ぐことができます。
また、電源オフと同時に行っておきたいのが、エコキュートの水抜きです。
水抜きしないまま長期間放置してしまうと、貯湯タンクに貯めた水が残り続けてしまいます。
電源を切ることでタンク内の水が循環しなくなるため、雑菌やカビが繁殖しやすくなってしまうのです。
そのため、エコキュートを長期間使用しない場合は、タンク内を清潔に保つためにも、貯湯タンクを空にしておきましょう。
なお、この水抜きをメンテナンスの1つとして推奨するメーカーも多いです。
日常的に使用していれば雑菌やカビが繁殖する心配はありませんが、水垢やナトリウムやカリウムといったわずかな不純物は溜まっていってしまいます。
不純物を取り除くためにも、メンテナンスの一環として水抜きは定期的に行うのがおすすめです。
入浴剤の使用に注意する
エコキュートは、機器によって使用可能な入浴剤が決まっています。
推奨されていない入浴剤を使用すると、ポンプが不具合を起こしたり、配管が腐食したりして、故障につながってしまう可能性が高いです。
入浴剤を使う前に、使用しても良い入浴剤かどうかを確認することが大切です。
5.まとめ
今回は、エコキュートの故障と間違われやすい不具合や実際の故障のサイン、その対処法などを紹介しました。
エコキュートにはランニングコストが安く、災害に強いなど、様々なメリットがある反面、馴染みのないトラブルを起こすことも少なくありません。
しかし、全てのトラブルが故障につながるわけではないため、どのような症状がみられるのか冷静に見極めることが大切です。
さらに、長持ちさせるためのポイントを押さえ、適切に使用することで、故障の恐れを最小限に抑えられるでしょう。
ご自身で対処を試しても症状が改善されないという場合には、早めに専門業者に調査を依頼することが大切です。
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